厳選ボードゲーム紹介 第17回
モダンアート
ドイツの天才ゲームデザイナー、ライナー・クニツィアの圧倒的名作の1つ、モダンアートです。
クニツィアさんは、以前紹介した「なつのたからもの」の原作者です。
この人の作るゲームは本当にすごい。
イチローはヒットを量産しますが、クニツィアは名作ゲームを量産します。
モダンアートはオークション(競り)ゲームです。
「オークション」というジャンルのボードゲームも数多くあるでしょうが
その原点であり、頂点にあるのが間違いなくこのゲームです。
様々な形式のオークションを、とことん堪能できます。
ギリギリの値段で商品を競り落とす楽しみ。
少しでも儲かるように値付けする楽しみ。
商人気質の人なら、これほど面白いゲームはないでしょう。
右上にある絵画カードが、このゲームでオークションにかけられる商材です。
のちのち価値が上がって高値がついたり、逆に紙くずになったりします。
そこをどう判断するか、売買のセンスが問われます。
下のボードは、持ち金を隠すための衝立です。
絵画カード9枚と資金100ドルを配ってスタート。
(正確にはコイン1が1000ドルということなので、100は10万ドルですが
分かりにくいのでそのままの数字でいつも遊んでます)
ねずみ「そいじゃあ始めようか。一番金持ちになったら勝ちね」
ミケ「は~やだやだ。あさましい」
ねずみ「・・・そんなん言ったら、たいていのゲームは、」
ミケ「冗談やがw」
5種類のオークション方法
衝立の裏にも書いてありますが、オークションには5通りのやり方があります。
ただの競りにそんな色々なやり方があるの?と、思うでしょうが
5通り全部違って、全部面白いのです。
絵画カードに書いてある記号で、どのオークション方法を使うかが決まります。
それぞれの絵画は5人の作者さんによって描かれています。
lite metal(ライトメタル)さん
yoko(ヨーコ)さん
christin p.(クリスティンP)さん
karl gitter(カールギター)さん
krypto(クリプト)さん
読み方があっているか、中学英語レベルのねずみには分かりませんが(´∀`∩
では5種類のオークションを紹介していきます。
①オープン・オークション
手番には自分の手持ち絵画カードを1枚、場に公開して競りにかけます。
ねずみ「えーとこちらはライトメタルさんの作品です。オープンオークションで行います」
オープン・オークションは1番オーソドックスな競り方法です。
それぞれのプレイヤーが自由に金額を競り上げていきます。
グレー「10ドルで」
クロ「12ドル、12ドル出すよー」
ミケ「ほいじゃあ15ドル」
今ねずみはライトメタルさんの作品を場に出しましたが
こうして最も多く場に出た作者の作品は、ラウンドの最後に1枚30ドルの価値になります。
2位は20ドル、3位は10ドル、4位5位は紙くずです。
なので、相場は高くても20ドルくらいまでと考えます。
ねずみ「15ドル以上いますか?いないですか?ではミケ様15ドルで落札でございます」
ミケ「まあ、これくらいやな」
こうして落札者から出品者に落札額が渡されます。
ねずみ「ありがとうございますー」
②ワンスアラウンド・オークション
グレー「クリスティンPさん作品、ワンスアラウンド」
ミケ「おっ、回転寿司か」
ワンスアラウンド・オークションは左プレイヤーから順に、競りが1周します。
ねずみ「じゃあミケから時計回りで1周するよ」
ミケ「はいよ。12ドルから」
クロ「うーん13ドル」
ねずみ(13かあ。手札にクリスティン作品、あんまりないからなあ)
場にその作者の作品が多く出てこないと価値が上がらないので
手札にないときは慎重になります。
ねずみ「14・・・いや、やめとく。パス」
グレー「じゃあ自分で買うわ。14ドル」
ねずみ「おっ、そうきたか」
このように出品者自身も買うことが出来ます。
その場合、落札額は銀行に支払います。
③シールド・オークション
ミケ「カールギター作品。握り寿司で」
クロ「握り?シールドオークションかー」
グレー「ミケ、寿司食いたいんか?」
ねずみ「カールギターさんか!ちょっと待って、いくら出すか考える。えーと」
シールド・オークション。この方式も、かなり面白いです。
全員が手の中にコインを握って、いっせいに開きます。
このときの金額が最も高い人が競り落とします。
前に手を出したら、もう金額は変えられないので、いくら握るかすごく迷います。
ミケ「おk?じゃあいくで、せーのーで」
ミケ「はいオープン。7ドル」
グレー「6」
クロ「21ドル」
ねずみ「そんなに!?まさか20で取られるとは」
④フィックスドプライス・オークション
クロ「じゃあ、こっちもカールギター作品」
ねずみ「やはりそうくるか」
自分が買った作品の価値を上げるために、同じ作者の作品をどんどん場に出すのは基本です。
ねずみ「フィックスドプライスか。じゃあクロ、価格を設定して」
クロ「はいよ。えーと14、15・・いや18ドルで売る」
フィックスドプライス・オークションは、出品者が自由に値段をつけることが出来ます。
売れそうなギリギリの値段を考える面白さ。
ねずみ「パス」
クロ「買わないの?カールギターたぶん1位になるから、お買い得だよー」
ねずみ「ちょっと作戦変えた」
このゲームの面白さの1つが
「いっさい絵を買わずに、売るだけ作戦」も有力手段なところです。
勝ち筋が色々あるゲームは面白い。
グレー「パス」
ミケ「ワシも」
クロ「みんなパスかあ。高かったかな?じゃあ自分で」
⑤ダブル・オークション
ねずみ「ダブルオークション。握りで」
ダブル・オークションは、同じ作者の作品のセット販売です。
オークション方法は、セットにしたもう1つのほうのカードで決まります。
2枚分の金額で考えるので、いくらまで出すべきか、これも迷うところです。
こんなふうに5種類のオークション方法があります。
全部違って全部面白い。
ラウンドごとに価値がつく
ラウンドが終わると、先ほど書いたように
場に出ている作品数の多さで作者の順位がつき、価値が決まります。
その後、その価格で全ての作品を銀行に売却します。
一番多く場に出たカールギター作品は、1枚30ドルの価値になりました。
つまりカールギター作品を3枚競り落としていたなら
30ドルx3枚で、銀行から90ドルも貰えます。
一方クリスティン作品とクリプト作品は、4位以下なのでただの紙くずです(´・ω・`)
この2人の絵画をがんばって競り落とした人は、実に悲しい。
そして面白いのは、この価値がラウンドごとに付加されていくのです。
このシステムがすごく良く出来ています。
ラウンドが進むほど作品の価値が上がっていくので、4ラウンド全部相場を考え直す必要があって、緊張感が続くのです。
うちのブログも、もっと世に出ていけば価値があがるんかねえ・・・
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