百人一首の「色冠」という、冠や烏帽子で出す札が決まる謎な遊び

百人一首にこんな遊び方があるとは

何か素材があれば、それを使って新しい遊び方を考えるのは

ねずみの得意とするところです。

このブログでいつもやっていることですね。

 

昔の人も同じような試行錯誤をしたのだろうなあと

「色冠」という不思議な遊びを知って思いました。

百人一首の絵札を使う、実に謎な遊びです。

 

もし過去の世界に行って色冠の考案者と対談できたなら

どうやってこんなアホっぽい(誉め言葉)遊び方を考えついたのかと

聞いてみたいですよ(・∀・)

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百人一首の絵札を使った遊びと言えば「坊主めくり」が有名なところ。

比べたら、色冠はそうとうマイナーな遊びだと思います。

知っている人もほとんどいないでしょう。

 

坊主めくりについては

基本ルールとねずみアレンジで、過去に2回記事にしました。

こちらもそうとうアホっぽい遊びでしたが。

nezumileader.hatenablog.com

 

色冠の遊び方

色冠は2対2のチーム戦です。

向かい合った2人がチームになります。

100枚ある絵札を全部使うので、まずは25枚ずつ札を配ります。

 

ミケ「ワシとねずみがチームってことやな」 

ねずみ「そう。で、グレーとクロのチームと勝負する」

グレー「なるほど」

ミケ「じゃあ負けたらお前のせい、勝ったらワシの手柄な」

ねずみ「ジャイアンかよ!」

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攻めと受け

色冠は、攻めと受けを交互に行いながら進んでいきます。

 

まずは親が1枚の札を、手札から選んで場に出します。

これが「攻め」です。

プレー順は反時計回りですので、それを受けるのは右隣のプレイヤー。

「受け」というのは親の出した札と同じ種類の札を出すことです。

 

ねずみ「まずは様子見。立烏帽子で攻める」

クロ「立烏帽子もってるー」

ねずみ「うーん。さすがに受けられるか」

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色冠を遊ぶためには

このように「札の種類」を、ちゃんと知っておく必要があります。

どの札で受けられるのか分からなければ遊べないですからね。

 

 

そして札を出せた(受けられた)場合

今度はそのプレイヤーが、攻め札を1枚選んで場に出します。

 

クロ「えーと、矢五郎で」

ミケ「矢五郎は持ってないわ。パスやな」

グレー「おっ、クロ。ナイス」

ねずみ「矢五郎、少ないからなあ」

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札を出せなかった(受けられなかった)場合

パスになるので、次の人が新たな攻め札を出します。

 

これを繰り返して

最初に手札がなくなったプレイヤーのいるチームが勝ちです。

 

人生いろいろ帽子もいろいろ

ということで、色冠を遊ぶ前提として

まずは札の種類を把握しておかないといけないわけです。

 

こちらをご覧ください。

それぞれ被っているものが違うところに注目。

この、冠や烏帽子の違いによる分類が

トランプのマークのように使われるわけです。

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ちなみに、朝廷での装束として冠が使われるようになったのは

聖徳太子の冠位十二階が始まりだと言われています。

しかし、まさか冠や烏帽子でこんな遊び方をされることになるとは

さすがの聖徳太子でも思わなかったでしょうね。

 

札の分類と解説

それでは札の種類についてまとめていきます。

頭に被っているものでの分類とは別に

坊主めくりと同じような基本的な分類もあります。

 

天智天皇・持統天皇

天智天皇は最強の札です。

受けで使えばどんな札でも受けられるし

攻めで使えば受けられることがありません。

 

持統天皇はその次に強い札です。

受けで使えば天智天皇以外の札なら受けられるし

攻めで使えば天智天皇以外の札では受けられることがありません。 

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トランプの大富豪で言えば

天智天皇がジョーカーで、持統天皇が2と考えると分かりやすいかも。

 

 

色冠(天皇札)

綺麗な繝縁(うんげんべり)に座っている天皇札・親王札です。

ゲーム名と同じ「色冠」という名前で分類されます。

この分類をせずに「黒冠」という名前で

他の黒冠札と同一とするルールもありますが

せっかくの豪華な札なので採用したいところです。

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姫(女性)・坊主(僧侶)

姫札と坊主札です。

坊主めくりでお馴染みの分け方ですね。

蝉丸は他の札と違って、頭巾のようなものを被っていますが

このゲームではただの坊主扱いですからね。

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矢五郎

冠にタワシみたいなトゲトゲが付いているやつが矢五郎札です。

これは(おいかけ)という、冠を固定するためのもので

トゲトゲはその装飾部分です。

矢五郎といっても、矢を持っているとは限らないので

ちゃんと冠で識別する必要があります。

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立烏帽子

縦に長い烏帽子を被っているので立烏帽子札です。

湯飲みを逆さにしたようなやつや、靴下みたいなやつがあります。

烏帽子として見れば、引立烏帽子とか梨子打烏帽子とか

さらに細かく名称が分かれるのですが

ゲーム内では、どちらも「立烏帽子」です。

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横烏帽子

スネ夫の髪形というか

リーゼントみたいな烏帽子を被っているのが横烏帽子札です。

これらも烏帽子として見れば

風折烏帽子とか侍烏帽子とか、それぞれの名称がありますが

ゲーム内では「横烏帽子」です。

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ここで烏帽子問題。

この2枚はそれぞれ「立烏帽子・横烏帽子」のどちらでしょうか。

かなりまぎらわしい2枚ですが

見分けるポイントは、リーゼントの向きです。

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正解は、左が立烏帽子・右が横烏帽子です。

リーゼントが前に来ているかどうかで分かります。

 

 

黒冠(青冠)

黒い冠を被っているので黒冠札。

最も枚数の多い札です。

冠の後ろにある水色の尾みたいなやつは、纓(えい)という装飾具です。

背もたれのあるイスに座ったら、すごく邪魔になりそう。

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天智天皇持統天皇

色冠・姫・坊主・矢五郎・立烏帽子・横烏帽子・黒冠

 

色冠では、このように札が分類されます。

それぞれの枚数は、百人一首の製品デザインによって変わってきます。

 

「ごいた」という遊び

実は色冠と非常によく似たルールの「ごいた」という遊びがあります。

ごいたは、石川県の能登町が発祥のゲームで

明治時代の初めごろに作られたと言われています。

このように、将棋の駒と似た駒を使います。 

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色冠と似ているのは、向かい合った2人がチームになること。

そして「受け・攻め」があることです。

反時計回りで進むのも同じです。

 

クロ「角うけるー」

ねずみ「うわっ、角を受けられるとは」

ミケ「なんか超ウケるー」

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ただ上がり駒によって点数が違う等、色冠より戦略的な要素も多いです。

ごいたについてはこちら。

nezumileader.hatenablog.com

 

色冠とごいたの関係性については、はっきりしたことは分かっていませんが

それぞれが作られた年代から考えると

色冠から何らかの形で影響を受けて、ごいたのルールが考案されたのかもしれません。

そういうゲームの歴史を調べるのも興味深いテーマですね。

 

さて、ねずみも何か百人一首の札を使って出来そうな

新しいゲームを考えようかな(^○^) 

 

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