こんなゲームもあるのかあ! 第30回
コレイカ【行列】
このカテゴリーでは、とにかく独特なゲームを紹介する(自慢する)のが目的なので
入手難易度については度外視しています。
今回のゲームもすでに絶版で、手に入れるのは相当難しいでしょう。
そしてこのゲームの内容も、欲しい商品を手に入れるまでの苦労を知るというものです。
1980年代のポーランドを舞台にしたゲーム『コレイカ(行列)』
いつ入るかも分からない商品を得るために、何日も何日も行列に並ぶゲームです。
ポーランド史を学ぶゲーム
コレイカは、共産主義システム下での生活実態を後世に伝えるという
教育的目的で作られたゲームだそうです。
長く続いた経済危機の中で、困難な生活を強いられたポーランドの人々の不条理な日常を
このゲームを通してリアルに感じとるのです。
と、なんか堅苦しいゲームだなあと思ったかもしれませんが
ゲームの内容自体は非常にユニークなものです(^O^)
説明書にも、笑って楽しむことを願うといった趣旨のことが書かれていました。
商品カードと市民駒
これは商品カードです。食品・電化製品・家具・衣服・雑貨
種類ごとにそれぞれのお店に不定期に配送されます。
こういう1つ1つのカードも、当時の様子が分かる貴重な資料ですね。
そしてこれが商品を買い求めるポーランドの市民駒です。
各プレイヤーがいずれか1色を担当します。
とにもかくにも並ぶしかない
それぞれのプレイヤーには買い物リストカードが渡されます。
リスト通りの数の商品を、最も早く手に入れることが出来れば勝利です。
ということでリストの商品を手に入れるべく、お店に並ぶわけですが
そのお店に商品が配送されるのが何日先か分かりません。
分からなくても、手に入れるためには列に並ぶしかないのです。
列の最後尾にいる黒い駒は、どのプレイヤーにも属さない投機家駒です。
(投機家に商品が渡るとバザーに持っていかれます)
わずかな商品と順番争い
配送される店は配送カードによって決まります。
ここでは5つのお店のうち3つのお店に商品の配送がありました。
しかしこのゲームで配送される商品の数はごくわずか。
とても全員の需要を満たすだけの数には足りません。
しかも先頭にいるからといって必ず買えるとは限らないのです。
というのも、各プレイヤーが使用する行列(アクション)カードによって
列に割り込んだり割り込まれたり、列の向きが前後逆になるといった
理不尽なことが頻繁に起こるからです( ゚Д゚)
コレイカの攻防これいかに
アクションカードによる変化があるとしても、まずは列の先頭に並びたいところ。
そして先頭に並ぶことが出来た店に配送があったならチャンスです。
グレー「キオスクに商品1つ」
ミケ「こっちも1つや。しけたもんやなあ」
ねずみ(おっ両方先頭にいる。チャンスチャンス)
配送が済んだら、わずかな商品をめぐる争いが始まります。
グレー「【あなたはここにいなかった】カード発動。オッサンどきな」
ねずみ「あー、先頭とられた!」
ミケ「ぷっ、確かにそんなオッサンいなかったわ」
クロ「困ったオッサンだなあ」
ミケ「【配送間違い】カード発動。こっちの店の商品やったわ」
ねずみ「なっ、商品が移動だと!?」
グレー「配送間違いだったなら仕方ないな」
クロ「困った配送業者だなあ」
コレイカのこれ以上ない楽しみ方
商品をめぐる攻防が面白いゲームですが
お店に出てくる商品をちゃんと見るのも楽しみ方の1つです。
クロ「見て、こんなの出てきたー」
ねずみ「ゲームウォッチじゃん!ポーランドでも売ってたのか」
ゲーム最終盤にはラスト1つの商品をめぐって、全員が同じ店に並んだりします。
この光景を見るのもコレイカの楽しさです。
そんなふうにゲームを楽しみながら
こうした状況下にあった人々について考えるきっかけになってほしいというのが
このゲームに込められているんだろうと思います。
ボードゲームって、いろいろな可能性を持っていますね(/・ω・)/
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