優雅で勇敢な花札の遊び「こいこい」のルールをまとめてみる

花札こいこいをやりにこいこい

春の花々が綺麗な季節ですね。

とは言っても、コロナ拡大防止のための自粛が求められる現状

なかなか自由に外出できないですが。

 

こういうときは、お花見の代わりに花札を楽しむのも一興。

そこで今回は、花札の代表的な遊び方の1つ『こいこい』のルールをまとめてみました。

 

本当は「花合わせ」や「八八」等のルールと比較する形で

花札の遊びを全部まとめて書こうと思ったのですが

かなりの分量になってしまいますので、それぞれで分けようと思います。

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花札のパッケージに天狗の顔が使われるのは

「花」と「鼻」を掛けて、天狗の面が花札の販売店に掛けられていたことからきています。

花札が賭博に使われていた江戸時代

鼻をこするのが賭博場へ入場するための合図だったそうです。

 

 

☆花合わせのルール書きました☆ 令和3年1月1日

nezumileader.hatenablog.com

 

☆八八のルールも書きました☆ 令和4年1月1日

nezumileader.hatenablog.com

 

 

月ごとの花を覚えよう

花札は「花かるた」とも呼ばれ、季節ごとの花がデザインされています。

賭博とは別に、花鳥風月を楽しめる雅な遊びだからこそ

現在に至るまで広く親しまれてきたのだと思います。

 

各月の花4枚×12の月による48枚の構成は

ポルトガルから伝来したトランプ風カードゲームの名残です。

それが国産化された「天正かるた」「ウンスンカルタ」が、花札の原型とされています。

ポルトガル語でカードを意味する「carte」は、かるたの語源にもなっています。 

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左上から右下に向かって1~12月、各4枚。

こいこいに限らず、花札は同じ月の花をセットにして取る形式のゲームなので

月ごとのデザインを知っておくといいでしょう。

 

各月を代表する札

まずは、それぞれの月を代表する札の名称と合わせて

各月の花を観賞しながら覚えましょう。

 

[1月]松に鶴  [2月]梅に鶯  [3月]桜に幕

[4月]藤に不如帰  [5月]菖蒲に八橋  [6月]牡丹に蝶

[7月]萩に猪  [8月]芒に月  [9月]菊に盃

[10月]紅葉に鹿  [11月]柳に小野道風  [12月]桐に鳳凰

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出来役と点数

次は、こいこいで採用されている「役」を覚えましょう。

花札は特定の札を集めることで、役が出来て点数になります。

ここで紹介する役と点数は、花札の老舗である任天堂のルールを参考にしています。

 

 

五光・四光・三光・雨四光(10・8・6・7点)

松に鶴・桜に幕・芒に月・桐に鳳凰・柳に小野道風

これら5枚の札を光札と呼びます。

この5枚の札を全部集めると「五光」という役になって10点です。

小野道風を除く4枚を集めると「四光」で8点。

同じく3枚なら「三光」で6点。

小野道風を含む4枚なら「雨四光」で7点。

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光札の中で小野道風の札だけ少し扱いが低いのは

雨の中でたそがれてるような雰囲気があるからでしょうね。

(´・ω・`)オーノー

 

 

花見で一杯・月見で一杯(5点)

桜に幕と、菊に盃の組み合わせ「花見で一杯」

芒に月と、菊に盃の組み合わせ「月見で一杯」

いずれも点数は5点です。

この役はオプションルールだそうですが

いろいろな役があるほうがやっぱり楽しいので、採用するのをおすすめします。

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任天堂のルールには記載がないですが

小野道風を取ってしまったら「雨流れ」になって

花見で一杯・月見で一杯の役が流れてしまう、というのは

よくあるローカルルールです。

(´・ω・`)オーノー

 

 

猪鹿蝶(5点)

萩に猪・紅葉に鹿・牡丹に蝶の3枚。

イノシシとシカとチョウで「猪鹿蝶(いのしかちょう)」です。

語感がいいですね。

こいこいを知らない人でも聞いたことがある役なのでは。

点数は5点ですが、他のタネ札が1枚増えるごとに1点ずつ増えます。

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赤短・青短(5点)

松・梅・桜の短冊札3枚で「赤短」

牡丹・菊・紅葉の短冊札3枚で「青短」

いずれも点数は5点ですが、他の短冊札が1枚増えるごとに1点ずつ増えます。

赤短になる短冊は文字が入っているので見分けやすいです。

なんて書いてあるか読めますか?

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「あかよろし」「みよしの」と書いてあります。

正しく読めましたか?(^o^)丿

 

あかよろしは「明らかによろしい」という意味です。

みよしのは「吉野山の桜すげー」という意味です。

どちらも褒め言葉ですね。 

枚数による役

ここからは特定の枚数集めることで成立する役です。

1枚増えるごとに点数が上がります。

 

タネ(1点~)

これら9枚の札をタネ札と呼びます。

いずれか5枚を集めることで「タネ」という役になります。

5枚で点数は1点ですが

そこからタネ札が1枚増えるごとに1点ずつ増えていきます。

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タン(1点~)

そしてこちらは短冊札です。

いずれか5枚を集めることで「タン」という役になります。

タネと同じく5枚で1点ですが

短冊札が1枚増えるごとに1点ずつ増えていきます。

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カス(1点~)

光札・タネ札・短冊札以外の札は、全部カス札です。

いずれか10枚を集めることで「カス」という役になります。

ひどい呼び方ですが公式なので仕方ない(´Д`)

カス札が1枚増えるごとに1点ずつ増えていきます。

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「菊と盃」の札は化け札と呼ばれ、タネ札・カス札のいずれにも扱います。

高い酒も安い酒もあるということですかねえ。

 

こいこいの遊び方

こいこいは2人で遊ぶゲームです。

まずは親決め。先行有利なので重要なところ。

山の上から裏向きで2枚の札を中央に置いて、それぞれのプレイヤーが1枚選びます。

あるいは山からそれぞれが引く形でもいいと思います。

 

ミケ「じゃんけんで決めればよくね?」

ねずみ「それはダメです、と任天堂が言ってる」 

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引いた札の月が早いほうが最初の親です。

以降は勝者が次の回の親になります。

ゲームは12回戦行うとされていますが、減らしてもいいし

特定の点数に達したら勝ちにしてもいいと思います。

 

ねずみ「えーと紅葉は10月で桜は3月だから・・・そっちが親か」

ミケ「勝者ワシか。おいおい瞬殺だよ」

ねずみ「勝ってねえよ! 先攻後攻が決まっただけだ」

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次に札を配ります。

それぞれの手札が8枚。場に表向きで8枚です。

このとき場に、同じ月の札が4枚出たら配り直し。3枚出たら全部重ねてください。

 

ミケ「ほーん。どれでも取り放題な手札やな」

ねずみ「手役ある?」

ミケ「手役ってなんや?」 

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手役『くっつき・手四(6点)

こいこいには、配られた時点の手札だけで出来る役が2つあります。

同じ月の札が2枚ずつ4セットあれば「くっつき」

同じ月の札が4枚あれば「手四」

いずれも6点です。

手札を公開して点数をもらい、次のゲームになります。

 

同じ月の花が合わされば取れる

プレーは交互に行います。

手番には手札から1枚の札を選んで場に出します。

その札と同じ月の札が場にあれば、2枚セットにして獲得できます。

 

ミケ「桜ゲットー」

ねずみ「ああーそれ取りたかったのに」

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次に山の上から1枚の札をめくります。

これも同様に、同じ月の札が場にあればセットにして取れます。

ない場合は場に置くだけです。

 

ミケ「ドロー! おっ、酒やな」

ねずみ「な、なんだと!?」

ミケ「花見酒完成」

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こいこいをする勇気と引く勇気

獲得した札は自分の前に並べます。

役が出来たら、その時点であがって点数を獲得することも出来るし

さらに加点を狙ってゲームを続けることも出来ます。

続けるときは「こいこい」と言いましょう。

 

ねずみ「くっ、まさか1ターンで出来るとは」

ミケ「こいこいや、こいこい。ちょっとそこで酒買ってこいこい」

ねずみ「うっさいわ」

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こいこいした後は、1点でも増えない限りあがれません。

その間に逆に相手があがった場合、相手の獲得する点数は倍になります。

そのリスクを考えつつ、どこまで稼ぐかギリギリを見極めるのが

こいこいの醍醐味です。

 

ミケ「赤短も完成」 

ねずみ「うむー。なんかこっちは地味な札しか取れねえ」

ミケ「さらにこいこいまだまだいける」

ねずみ「くっ・・・見てろよ。カス集めて先にあがってやるからな」

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あまり欲張ると、相手が地味な役であがることはよくあります。

麻雀でもよくあるパターンですね。

こいこいするのも勇気ですが、思い切って切り上げるのも勇気です。

 

【その他のルール】

両者とも役が出来なかった場合、ノーゲームとなって親が代わる。

出来役の合計が7点以上であがるとき獲得点数が倍になる。

これらは任天堂の公式ルールですが、以下のようなローカルルールもあります。

 

両者とも役が出来なかった場合、親は代わらず「親権」として親に点数が入る。

または「つかず」として子に点数が入り、親が代わる。

 

役や点数も地方によって違いがあるでしょうし

遊ぶ人それぞれで工夫してみるのも、花札の楽しみ方だと思います。

 

 

コロナに振り回されるような日々ですが

今は1人1人が、出来ることを地道にしようという気持ちを

強く持つべき時だと思います。

地味な札でも、1枚1枚こつこつ集めていくことで

ちゃんとした役になりますからね(*´▽`*)

 

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