囲碁のルールをこれ以上ないくらい分かりやすく解説してみる。その5

終局のしかたと整地を覚えよう

大変お待たせ致しました。囲碁のルール解説シリーズ第5回です。

第1~4回はこちらから。

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【前回のあらすじ】

中盤戦。白番のミケ棋士が図々しくも

黒石で守られた隅っこの土地に、白石をツケてきたのです。

自分の土地だと思っていた場所に打たれて動揺するクロ棋士。

はたして勝負の行方は!?

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ネコでも分かる終局のしかた

さあ対局は後半に入ります。

といっても今回は、終局のやり方や

そのあとの地の数え方を中心に解説していきますので

対局中の細かい手順については、あまり気にせずに見てください。

 

クロ「うーん、どうしよう。これ邪魔だから囲んで取っちゃえばいいのかな?」

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石は囲めば取れるので、取り合いになれば

基本的には石数の多いほうが有利です。

 

捨て石を使うというカッコいい打ち方

白番のミケは、あえて2つの石を捨てることで中央に壁を築きました。

中央の広々とした土地が、だんだん白石で囲まれた土地になってきているのが分かるでしょうか。

ねずみ「ほーー。捨て石をうまく使ったなあ」

ミケ「まあな。ぜんぶ思惑通りやで」

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死に石は取らなくてもいい

クロ「先生、この白石囲めば取れるよね?」

ねずみ「取れるけど、ほぼ死石だから取らなくても大丈夫」

クロ「死石?」

ねずみ「とりあえず終局まで打てば分かるよ」

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土地の中に残っている、働きのなくなった相手の石を死石といいます。

こういう石は、わざわざ取る必要がありません。

 

なぜなら、相手が打ちこんできた石を全部取っていたら

自分の土地が自分の石で埋まっていってしまいますからね。

死石は終局後に取り除けるので大丈夫です。

 

終局のしかた

途中でどちらかが投了しなければ

境界線を引き終わってから、お互いが合意して終局します。

そのあたりのことは、第1回と2回で解説してきた通りです。

 

クロ「もう打つとこないかな?」

ねずみ「そだねー。終局だね」

ミケ「これで終わりか。なんとか打てるもんやな」

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終局後、先ほど書いたように「死石」を取り除きます。

ここで問題です。

この中に黒の死石と白の死石が、それぞれ2つずつあります。

どれがそうなのか見つけられますでしょうか。

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この4つがそうですね。

もしこれを取るために1手でも使えば、それだけ自分の土地が減ってしまうので

あえて取らないのです。

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取り除いた死石はアゲハマに加える

ねずみ「じゃあ、お互いに死石を取り除くよ」

ミケ「これを取ればええんか?」

ねずみ「うん。それは対局中に取った石と同じ扱いになる」

クロ「だから、さっき取らなくていいって言ったのかあ」

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対局中に囲んで取った石のことをアゲハマといいますが

取り除いた死石も、ここでアゲハマに加えます。

これらの石は終局後に相手の陣地に埋めるので、その分相手の土地数を減らせるのです。

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ミケ「これで、あとは土地の数を数えればええんやろ?」

ねずみ「その前に今の石を相手の陣地に埋めて、それから整地をするよ」

ミケ「なんや。アニメに出てきた場所でも観光するんか」

ねずみ「聖地巡礼じゃねえよ!」

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整地のやりかたとコミについて

整地とは、でこぼこの土地を平らにして、数えやすくすることです。

合計の土地数が変わらないようにだけ気を付ければ

石はかなり自由に動かせるので。

 

例えばこんな終局図で整地をするとします。

まずは左上にある黒の死石を取り除きます。その石は右上の黒の土地を埋めるのに使います。

さらに右上の黒の土地に、1つだけ出っ張ってる石があるので、この石も移動させます。

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右上の黒地を見てください。

これは3×4=12目の土地の真ん中に、2個の石が置かれた形です。

整地に慣れてくると「この形なら10目の土地」と覚えてしまっているので

非常に数えやすくなるのです。

続いて白地を整地します。今度は黄色い矢印を見てください。

このまま数えても、左上には白地が8+1+1で10目あるのが分かるのですが

黄色い矢印のように動かすことで、より数えやすくなるのです。

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整地後はこんな形になりました。こうすることで

左上の白地も右上の黒地も、同じ10目なのが分かりやすくなりました。

あとは下の土地の広さを比べるだけですね。 

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6目半のコミについて

数えてみると、合計18目対17目で、黒が1目広いです。

ここで「コミ」について説明します。

囲碁は先手が有利なので、先手の黒は6目半のハンデを背負っています。

それが「コミ」というルールです。

つまり黒地は18目ですが、そこから6目半引くので

実際には11目半ということになるのです。

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よってこの場合

黒11目半、白17目で白の勝ちになります。

「半」というのがあるのは、引き分けをなくすためです。

 

整地は慣れてる人に教わりましょう

ねずみ「ということで整地してみよう。手伝うから」

クロ「めんどくさいから、このまま数えたらだめなの?」

ねずみ「まあそれでもいいんだけどね。自分もあんまり整地得意じゃないし」

ミケ「なんやそれ、ショッボいなあ」

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このまま数えてもいいのですが

少しでも平らにしたほうが数えやすくなるので

対局後は、がんばって整地に挑戦してみましょう。

 

 

ということで、整地をしてみました。

上手い人が見たら、ダメ出ししてきそうな気もしますが・・・

とりあえず赤い字が黒の土地数で、青い字が白の土地数です。

つまり盤面では44目対44目で、同じ広さですね。

しかし先ほど説明したように「コミ」があるので

勝敗としては、白の6目半勝ちです。

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整地は経験が大事なので

上手な人にその場で教わるのが1番です。

ねずみ自身も、ネット碁がメインなので整地は勉強中です。

 

 

さあこれで対局は終了です。 

きちんと挨拶をして石を片付けましょう。

 

クロ「ありがとうございました」

ミケ「ありがとうございました」

ねずみ「おおっ、猫なのに素晴らしいマナー」

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囲碁のルール解説シリーズは、ひとまず今回で終わりです。

長らく読んでくださってありがとうございました。

もし必要なことが思い浮かんだら、また気まぐれに書くかもしれません。

 

これまでの記事で、囲碁に興味を持ってくださった人がいたなら嬉しく思います。

囲碁ファンを増やすべく、ねずみはこれからも頑張りますヾ(^▽^)

 

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