どこに打ったっていいじゃない
囲碁ファンを増やすべく、健気にがんばっているねずみです。
いつか誰かが
「このブログを見て、囲碁を打つようになりました!」
と言ってくれる、その日のために。
さて囲碁の基本的なルールやイメージについて、ここまで書いてきました。
前回までの記事はこちら。
今回のテーマは
「どこに打てばいいのか」
まずは打ってみないことには始まらない。
今回の記事を読めば、ともかく最初の数手が打てるようになるはずです。
土地を囲う意識をして打つ
囲碁のルールが少しずつ飲み込めてきても
実際に打つとなると、どこに打てばいいのか最初は見当もつかないでしょう。
例えば最初の数手をどこに打てばいいのか。
極論を言うと、別にどこに打ってもいいのです。
しかし「こうしたい」とか「勝ちたい」という意志が全くなかったら
ゲームにならないですよね。
そこで、次の写真を見てください。
前回の記事を読んだ方なら少し分かると思いますが
白は「左下が自分の土地だ」と主張する、土地を柵で囲う意識を持った手を打っています。
一方、黒はどこを自分の土地にしようとしているのか全く分かりません。
このように「このへんの土地が欲しいなあ」
という気持ちを持つことで、打つ石に意思が入るのです。
(∩´∀`)∩ ねずみ、上手いこと言った!
どこでもいいからこそネコでも打てる
とはいえ、最初は本当に自由に打っていいと思います。
そのくらいのほうが気負わずに楽しめますからね。
また今回は、広く打つことの意味を分かりやすくするため13路盤を使ってみました。
ねずみ「では2人に対戦してもらいますよー」
クロ「あれ?この前より、でかくない?」
ねずみ「前回のは9路盤、これは13路盤だからね」
ミケ「先生、でかすぎて無理です」
ねずみ「でかい?いやいや本来は19路盤なんだ。それに比べれば」
クロ「うわっ!なにこれ。無理無理」
ねずみ「囲碁を覚えるとね、これで打たないと物足りなくなるんだよ」
ミケ「ほーん。ドラッグみたいやな」
まずは自由に打ってみる
クロ「先生ー。まずどこに打てばいいんですかー?」
ねずみ「ん?どこでもいいよー」
ミケ「そんなわけないやろが」
ねずみ「もちろん将棋で言えば角道を開けるような有利な手もあるけど、それだって他の手を打ってもいいわけで」
クロ「でもなー。どこでもいいって言われるとなあ」
ねずみ「分かった。ちょっと待って」
すごくてきとーに置いた石でも繋げば線になる
ねずみ「じゃあ試しに、この紙の上の好きな場所に石を3個落としてみて」
クロ「ん?また新大陸?」
ミケ「落とすってどういうことや」
ねずみ「何も考えず3個、上から落とせばいい」
ミケ「ほーん」
ミケ「ほな落とすでー」
クロ「うわ、本当に落とすんだ」
ねずみ「いいよー。3個ねー」
ミケ「これでええんかー」
ねずみ「おっけー」
クロ「先生、これでどうすんの?」
ねずみ「まず、近い石どうしを線で繋ぐ」
クロ「ふんふん」
ねずみ「そして、壁に近い側を塗り絵みたいに塗る」
線になれば土地が見える
ねずみ「あとは、この赤いところが自分の土地になるように石で境界線を作っていくんだ」
ミケ「前回やった柵と同じやな」
ねずみ「そうそう。柵のイメージ」
クロ「先生、質問質問」
クロ「逆に最初からこっち側を、自分の土地にしようとしちゃダメなの?」
ねずみ「おっ、クロ君。いい発想ですよー」
ねずみ「その場合はこっちを囲うように柵を打てばいい」
クロ「そっかー」
ねずみ「かなり自由でしょ?」
ミケ「先生、なんか分かってきました。けっきょく自己主張の強いやつが勝つんですね」
ねずみ「え、うん。えーと・・そだねー」
このように、かなり好き勝手に打っても
「どこを土地にしたいか」のイメージさえ出来ればいいのです。
どこまで欲張って広げるか
ねずみ「じゃあそんな感じで、自由に5手ずつ交互に打ってみよう」
クロ「5手かあ」
ねずみ「出来れば、さっきの塗り絵のイメージを持ってね」
ミケ「任せろ。もう完璧に分かったわ」
ミケ「5手打ったで」
ねずみ「うんうん」
クロ「こんなんでいいの?」
ねずみ「問題ないよ。じゃあどの辺を自分の土地にしたいか、指差してみて」
ミケ「ワシここ全部」
クロ「ええと、ここの中?」
ねずみ「そうだね・・・ざっくり言うと、ミケは欲張りすぎでクロは遠慮しすぎ」
クロ「遠慮しすぎかあ」
ねずみ「でも、どっちも間違いじゃないよ」
こんなふうに欲張って広く打つのも、手堅く隅っこを打つのも
打ち方のスタイルの違いなので、自由なのです。
こうしてその人の性格が出るのも、囲碁の面白さの1つといえます。
隅・辺・中央
ただし教科書的な「効率の良い打ち方」というものも
基本として覚えておくと、上達する早道ではあります。
それは「隅⇒辺⇒中央」の順に、優先的に打つという考え方です。
次の写真を見てください。
黒い水槽と白い水槽には、どちらも同じ数(9匹)の魚が入っています。
しかし黒石は6個なのに対して、白石は12個も使っています。
つまり、土地を囲うのには隅っこのほうが効率がいいのです。
あえて中央を重視して打つ「宇宙流」という打ち方もありますが
それでも隅から打つのは変わりません。
宇宙流について知りたい方は、こちらの記事もぜひ読んでくださいませ。
4スミからお互いに打っていく
ということで、いずれにしても基本的には(教科書的には)効率のいい隅から打ちます。
ねずみ「クロはさっき同じ隅っこに5手打ったけど」
クロ「うんうん」
ねずみ「普通は1手打ったら、他の空いている隅に打った方がいいんだ」
ねずみ「こんな感じで、お互いがとっとと4隅の近くを打つのが普通なんだ」
クロ「ふんふん。分かりやすい」
ミケ「普通かあ。普通ねえ」
ねずみ「それが終わったら、今度は隅をもう一手打ったり辺に開いたり」
クロ「そういう手順なんだー」
ミケ「なんかそういうの決まってると、つまらんな」
ねずみ「いや基本的な考え方ってだけだから。さっきのミケみたいな打ち方だってオッケーだよ」
ミケ「そうやろ?にゃはは」
土地の確保しやすさ
これは隅・辺・中央のイメージです。
①赤いところが隅
②青いところが辺
③緑のところが中央
この番号の順番が、土地の確保しやすさです。
言い換えると中央の土地を手に入れるのは、なかなか難しいのです。
ねずみ「ちなみにさっきのは、お互い守備的な打ち方で」
クロ「うん?」
ねずみ「攻撃的な人は相手が隅を守るのを、邪魔しにいったりする」
クロ「うわー、それやだなあ」
ミケ「ワシはこっちのほうがええな」
ということで今回は「どこに打てばいいのか」の話でした。
今回の内容をまとめると
「好きに打っていいが、土地をイメージしましょう」
「教科書的には隅から打つと土地が確保しやすいよー」
ということです。
次回は、ミケとクロの実際の対局を見せる形で考えています。
お楽しみに(*^◯^*)
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