ボードゲーム異種対決のルールを考える 第6回
「囲碁VSチェス」
全21回の組み合わせですが、序盤のヤマ場ともいえるメジャー競技の対決がやってきました。
来るべき囲碁VS将棋のビッグ2対決に向けて、そこまでの試行錯誤が活きるように
1つ1つの対戦にベストを尽くしていきたいところです。
いつも通り盤の選択から
さて対決に囲碁が含まれる場合、考慮する必要があるのが盤の大きさです。
他の競技と比べて囲碁だけが唯一、
9路盤・13路盤・19路盤という選択肢を持つからです。
とはいえ、この対戦では19路盤を使う選択肢はないでしょう。収拾がつかなくなりそうなので。
もちろんこれはこれで面白くできる可能性は必ずありますが、チェス駒の進路チェックが大変そうです。ななめに動くクイーンやビショップは特に。
では13路盤ならどうか。
これは19路盤よりはバランスがよさそうです。いずれの盤にしても、クイーン1人が暴れるだけのゲームにはならないようにするのが大事なところ。
そして9路盤ではどうか。実は9路盤はチェス盤と同じマス数なのです。
この企画をするまで気付かなかったのですが
囲碁の9路盤とチェス盤とオセロ盤は、全部同じ大きさなんですね。
今回はこの点を考慮して、この盤を使うことにします。
いつもの試行錯誤から。そうかチェスって実は・・・
とりあえずルールを考えやすくするため、チェス駒を減らしました。
このときに気付いたのですが、チェスは将棋と比べてどの方向への移動にも不自由さがないんですね。
将棋は金・銀・桂・香・歩と前方への攻撃に特化した駒が多いですが
チェスはポーンを除いて、前後左右への攻撃力に差がありません。
つまり端っこに並べる理由がないということです。
そこでポーンを除いた5つの駒を、このように配置してみました。
見た目の美しさも考えて、交点に置くことにしました。
そして囲碁VSオセロの時と同様に、攻撃力の差を整えるため、囲碁は2手続けて打てることにします。
囲碁VSオセロはこちら↓
囲碁VSオセロ ボードゲーム異種対決 - 遊びの教室とまとくんブログ
ただし同じ駒に対して連続でツケる手は禁止です。
これがありだと囲碁が強すぎるので。
となると横に動けないビショップやナイトに、それぞれツケていく手が有力になりそうです。
とりあえず終了条件は考えずに打ち進めてみました。
キングにツケたのは、捨て石にしてキングに1子取らせている間に
他に連打することで局面をコントロールする狙いです。
中盤戦。やはり囲碁はビショップやナイトを狙いながら打つ方向。
チェスは2つ駒が並ぶだけで、簡単に取られなくなるのがポイントか。
終了条件や勝利条件を考えながら何10局と打ってみて、このルールだけでは
囲碁が主導権を持ちすぎることが分かりました。
囲碁側もチェス側も選択肢を多く持てる、面白いゲームにしなくては・・・
そこでバランスをとるアイデアを考えました。
囲碁はチェス駒を取るときは手番で2手打てない、というルールです。
つまり通常なら2手続けて打つ権利を囲碁は持っていますが、相手の駒を取るときのみ1手で手番を渡す形になります。
このルールを入れたことでチェス側は、あえて駒を取らせるという手段を局面によって持てるようになりました。
例えばここでビショップを逃がすと、黒石がまた2つ増えるだけですが
捨てれば他の駒を展開する余裕がうまれます。
終了条件をどうするかー悩むー。うむー
盤がすぐに埋まっていくオセロと違って、チェスは碁石を取り除くので終局のタイミングが見えません。
そこで碁石の持ち数を最初から決めてしまって、これを全部打ち切ったら終了とする方法を考えてみました。
とりあえず30個くらいで試してみよう。
よし30個打ち終わった(;・∀・)ふー
ええと、うむーこれは・・・どう解釈しよう。
どっちが勝ったのか、どっちが負けたのか。
やはり地の考え方。これが一番難しいのですが・・・
チェス駒が部屋にいない状態で、囲んだ場所を地と考えることにしてみます。
下の写真でいうと、左の部屋はビショップおじさんが部屋でくつろいでるので地になりません。
「ビショップさん、もう1杯お茶どうですか?(早く帰れよ・・・)」という感じですね。
右の部屋は誰もいないので6目の地です。
これはさっきの局面です。
右上の部屋だけ誰もいないので確定地です。
欠け目も含めて16目あります。
囲碁VSオセロの時よりも欠け目の判断が難しいので、この対戦では欠け目も含めたほうが分かりやすくていいと思います。
ここまで迷いなくルールを書いているように見えるでしょうが
試行錯誤しながら何局も打ってた時間は、なかなかに膨大なのですよー
(@_@) 目がマワルー
今回の完成ルール
初期配置はこの形で決定します。
真ん中がキングです。そしてクイーンとルークは対角線になるように置きます。
チェス駒を自由に配置できるというオプションルールはあってもいいかもしれませんが。
そして碁石の持ち数は、交点の数の半分で40個にしました。
【囲碁の勝利条件】40個の石を使い切るまでに、自分の手番で計12目の確定地が出来る。またはキングを取る
【チェスの勝利条件】囲碁が40個の石を使い切るまで、12目の確定地を作らせない。
【基本ルール】
囲碁は手番に2手ずつ打てるが、チェス駒を取るときには1手しか打てない。
囲碁は手番内の2手を、同じチェス駒にツケることは出来ない。
クイーンまたはルークを取られた場合、チェス側が逆に2手連打できる。
以上です。
勝利条件を12目にしたのは理論値からです。
40個の石を打ち終わったときに、盤に残っている石数を20とした場合
残っている目の数をチェス駒数の5で割りました。
(81-20)÷5=12.2
チェスは駒同士が固まっているほうが強いけれど、確定地を作らせないためには広がった方がいいというジレンマがあるのが、ルールとして面白く仕上がったと思います。
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